• 健康だより


  • 大田クリニック 健康だよりとは


季節ごとに注意する症状や、健康に関する情報を掲載しているガイドブックです。
当院内にて年4回(1,4,7,10月発行)配布を行っています。
当ページでは、健康だより内に掲載されている一部の記事を紹介しています。
※無断転載は禁止しています。

  • 話の広場 (2017 春季号より引用)

運動不足を感じている方へ
〜日常生活の中に運動を取り入れよう!〜

 運動不足は健康に良くないとわかっていても、なかなか運動ができない人は多いのではないでしょうか。運動するといっても、「時間がない」「運動する場所がない」「何をしてよいかわからない」など実際に取り組みにくいのも運動です。

 そこで、仕事や家事に多忙で、日ごろから運動不足と感じている人には、日常生活の中で、からだを動かす時間を増やすことをお勧めします。軽い運動でも生活習慣病の予防や治療効果があることが実証されています。良い食生活と同じように、良い運動習慣も継続することが大切ですので、無理せず楽しくからだを動かす習慣を身につけましょう。

 仕事が休みの日に、家事や掃除の手伝いや庭仕事をすることも運動になります。子どもや孫と遊び、一緒に外出すれば、知らず知らずのうちにからだを動かしています。余暇の時間を利用して、散歩、水泳、自転車などの運動ができればより効果的です。

 通勤や買い物の中で歩く時間を増やしたり、エスカレーターやエレベーターを使わないで階段を上るように意識したりするだけで活動量が増えます。テレビを見ているときも、横になって脚を上下させる、電車やバスでは座らないようにする、炊事をしながら、かかとを上げ下げする―なども取り入れてみましょう。

 また、今までより多く歩くように意識してみましょう。毎日10分間の早歩きや、歩幅を少し広げて歩くことも効果的です。10分は歩数にすると約1000歩に相当します。続けているとからだに変化が起きてきます。遠く感じた距離が短く感じ、足の運びも軽やかになったり、歩くことが面倒でなくなります。効果を実感すると楽しみに変わってくるでしょう。

 運動の強さ(きつさ)としては、おしゃべりをしながら散歩ができる程度の「息が切れないくらいの運動」を目安にしましょう。これらの運動は有酸素運動といわれていますが、筋力運動も大切です。自宅でできる筋力体操としては、腹筋運動、片足立ちなどが手軽に行えます。ストレッチは、血行をよくすることで、新陳代謝を高めます。肩こり、腰痛などを改善する効果もあります。

■運動で注意すること■

 一方、普段あまり運動をしない人が突然運動を始めたり、反対に運動をやりすぎると健康を害することがあるので注意しましょう。自分の生活状況に合った運動から始め、慣れてきたら運動の種類を増やしましょう。運動を始める前に医学的な検査を受けることも大切です。

 運動をする時には、動きやすい服装・靴を用意しましょう。水分の補給も大切です。発熱・下痢・睡眠不足など体調が悪いときの運動は避けましょう。気候の変化に応じて帽子や防寒具の準備も必要です。

 運動により筋肉や関節の痛みが起こったり、翌日まで疲労感が残る時には運動の量を減らしましょう。運動により激しい息切れ、動悸、胸の不快感や痛みなどを感じた時は、病気が隠れている場合もありますので医師に相談してください。健康のための運動ですから、無理なく、安全に、楽しく行いましょう。

  • 話の広場 (2017 新春号より引用)

かぜは「ひき始め」が肝心
〜十分な栄養と休養、そして保温〜

 新年明けましておめでとうございます。厳しい寒さが続いておりますが、体調管理には十分留意して、元気に暖かい春を迎えたいものです。

 さて、皆さんの中には、「なんだか微熱があるようだ」「体がだるくて動くのがつらい」などというときにも、無理して会社や学校に行った経験を持つ方も多いのではないでしょうか。

 しかし、「かぜは万病のもと」ともいわれるように、「かぜをひいたかな?」と感じたらあまり無理をせず、ひき始めのうちにきっちり対処することが実はとても大事なのです。

 かぜの症状は、喉の痛み、鼻水、鼻づまり、せき、たん、くしゃみ、悪寒、微熱、頭痛など、さまざまです。インフルエンザとは異なり感染力はあまり強くなく、重症化することもほとんどありません。通常のかぜであれば、「かぜかな?」と思った段階でただちに安静にしていれば、数日で回復します。

 しかし、無理をしてこじらせてしまうと、肺炎、気管支炎、扁桃炎、副鼻腔炎、中耳炎などを引き起こしたり、基礎疾患を持っている方は、かぜによって基礎疾患が悪化するケースもあるため注意が必要です。また、かぜではなくインフルエンザの可能性も考えられますから、症状を見極めて適切に対処することが大切です。

 安静にして数日経っても回復せず、症状がかえって悪化してつらくなっていくようであれば、他の病気も考えられますので、医療機関を受診しましょう。急に38℃以上の高熱が出たり、筋肉痛、関節痛などがある場合は、インフルエンザの可能性がありますので、早めに医療機関を受診してください。

■無理せず、安静に■

 悪寒がしたり、微熱があったりなどのかぜのひき始めの症状が出たら、できるだけ早めに帰宅して、早めに寝ましょう。私たちの体に備わっている「免疫」という働きの全勢力をかぜのウィルス撃退に向けるためには、静かに横になって体を休めてあげるのが最も効果的です。

■食事は栄養豊富で、消化のよいものを■

 かぜのときは発熱とともに胃腸の働きが落ち、軽い下痢をおこしたり、食欲がなくなることがあります。何も食べないと体力が低下してしまいますので、食欲に合わせて栄養価が高く消化のよい卵や豆腐、白身魚などを、少量でもかまいませんからできるだけとるようにしましょう。

 また、かぜをひいているときはビタミン類の消費が大きくなるため、ビタミンBやビタミンCを意識して多めにとるとよいでしょう。ひき始めには、体を温めるために温かい飲み物や食べ物がお勧めです。

■しっかり保温■

 発熱により寒気がする場合は布団や毛布を多めにかけるなど十分に温めましょう。逆に、熱が上がって体が熱く感じている場合は、布団や毛布、洋服を薄めにして熱を逃がすようにしましょう、汗をかいたらこまめに下着を着替えましょう。

■水分補給で脱水防止■

 熱があるときは汗で水分が多く失われてしまうため、水分と塩分の補給が大切です。やわらかいお粥を食べたり、スポーツ飲料、経口補水液などでの水分補給を心がけましょう。

  • 話の広場 (2016 秋季号より引用)

健康づくりのための身体活動
+10(プラス・テン)から始めよう

 仕事、家事、通勤、運動など日常生活のあらゆる場面で、今よりも少しでも多く体を動かすことがメタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病や、足腰の機能の衰え(ロコモティブシンドローム)、認知症などのリスクを下げることがわかっています。

 特に高齢者においては、積極的に体を動かすことで生活機能低下のリスクを低減させ、健康寿命(介護を必要とせず、自立した生活が送れる期間)をのばすことができます。また、気分転換やストレス解消につながることで、メンタルヘルスの不調予防としても有効で、生活の質を高めることができると考えられています。

 厚生労働省は、「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)を策定し、日頃から意識して運動に取り組んでもらおうと、「+10(プラス・テン)で、健康寿命をのばそう!」という取り組みを行っています。これは、「毎日、今より10分多く体を動かそう」という内容で、若い人から年配者まで、全ての世代に共通した呼びかけです。

 「+10」で目指すところは、64歳以下なら元気に体を動かす時間を1日の合計で60分以上の達成。これは歩数に換算すると8000〜1万歩に相当します。65歳以上なら、横になるとか座ったままにならないよう、どんな動きでもよいのでじっとしていない時間を1日合計で40分達成することです。10分体を動かすといっても、10分間ずっと動かし続けなければいけないというわけではなく、それぞれのライフスタイルに合わせ、短い時間を積み重ねた合計でも構いません。一つひとつの運動量はわずかであっても、1週間、1年単位でみると大きな効果につながります。

 例えば、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う、歩幅を広くして歩く、車をあえて遠いところに駐車するといった時間を足していき、トータルが10分程度になればよいのです。テレビを見ながら、家事をしながらなど、何かをしながらできる体操もあります。なかなか時間が作れないという方にはお勧めです。

 そのほかにも、掃除機をかける、洗濯物を干す、雑巾がけをする、草むしりをするといった日常生活の中で積極的に体を動かしてもよいですし、歩いて買い物に行く、ストレッチやヨガなどもよいでしょう。可能であれば、スポーツクラブや運動施設などでの各種運動や筋肉トレーニングも取り入れましょう。効果はさらにアップします。

 体を活発に動かすことは健康によいとわかっていても、なかなか実践できないものですが、「あと10分多く体を動かす」ということで気軽に始めてみましょう。「継続は力なり」という言葉のように、まずは3ヶ月間継続することをお勧めします。毎日続けることで、自然に活力が出て、体を動かすことが楽しくなるでしょう。

★18〜64歳★
元気にからだを動かす時間1日60分

★65歳以上★
じっとしていない時間1日40分

(厚生労働省:アクティブガイド)

  • 話の広場 (2016 夏季号より引用)

防ごう!熱中症
知っておきたい応急処置

 じりじりと熱い太陽が照り付け、急激に気温が上がって来ました。熱中症が心配な季節です。

 熱中症とは、暑さが原因で体内の水分や塩分のバランスが崩れ、時には死に至ることもある病態です。しかし、早期の段階で発見し、応急処置を行うことで重症化を防ぐことができ、また予防法を知ることにより発症を防ぐことも可能です。

 特に小さなお子さんや高齢者では注意が必要です。「これくらいの暑さは大丈夫」と我慢せず、正しい知識と予防法で楽しい夏を過ごしましょう。

■こんな症状があれば熱中症を疑いましょう■

・めまい、たちくらみ、こむらがえり、ふいてもふいても出てくる大量の汗(重症度T度)

・頭がガンガンと痛む、吐き気、嘔吐、体がだるい(重症度U度)

・意識がない、呼びかけに対し返事がおかしい、体がひきつける、まっすぐ歩けない、高体温、皮膚乾燥(重症度V度)

■熱中症の応急処置「F・I・R・E」■

F(fluid):水分と塩分の補給

 液体(経口補水液、スポーツドリンクなど)の摂取。自分で飲めなければ至急医療機関を受診し点滴をしてもらう。

I(ice):体の冷却

 衣服を脱がせる、冷えた缶ジュースなどで首筋・脇の下・足の付け根など大きな動脈が触れる部位を冷やす、濡らしたタオルを体に貼り付け、扇風機などで冷やすなど。

R(rest):安静

 日陰、風通しのいいところ、涼しいところに移動して休ませる、自動車に乗せてクーラーで冷やす。

E(emergency):緊急事態の認識

 大きな声で呼びかけ、反応を確かめる。ぼーっとしている、言動がおかしいなどの症状があれば、重症のサインなので、ためらわずに救急車を呼ぶ。

写真

■予防法■

 帽子や日傘により暑さを避けることが最重要です。また、こまめな水分摂取も非常に重要です。「水分を摂りすぎると汗をかき過ぎてよくない」といった考え方は誤解であり、汗をかくことは体温調整において重要です。汗で失った水分には塩分なども含まれていますので、経口補水液やスポーツドリンクなどで補充するのがよいでしょう。

  • 話の広場 (2016 新春号より引用)

ヒートショックと脱水に注意
−室内の温度差と水分の補給

 新年あけましておめでとうございます。

 寒い日が続いておりますが、冬場の健康管理に十分注意して元気に暖かい冬を迎えましょう。

  冬は急激な温度変化による「ヒートショック」で入浴中に意識を失ったり、乾燥した室内で気付かぬうちに脱水症状に陥ったりする人が増加しますので、注意が必要です。

  ヒートショックとは、急激な温度変化が身体に影響を及ぼす現象のことを言います。そして家の中で急激な温度差があり、一番ヒートショックの危険性が高い場所は冬場の浴室と言われていますので、冬の入浴は最も注意が必要と言えます。

  寒い脱衣所で衣服を脱ぎ、裸になると、急激に体の表面全体の温度が下がってしまいます。すると血管は収縮するため血圧は上がります。血圧が急激に上がると、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、心筋梗塞などを起こす危険性が高まります。そして、次に熱いお湯に入ると、今度は一気に血管は拡張するため血圧が下がります。

  この時、めまいや湿疹といった症状が起こる危険があり、時には意識喪失が原因でおぼれてしまうケースもあります。

  このように、急激な温度差によって血圧は大きく変動し、その度に血管は大きな負担がかかりダメージを受けてしまいます。

  高血圧や糖尿病、動脈硬化などの持病のある方、高齢者の方などはさらに血管が硬くなっていたり、もろくなっていることもあるため、ヒートショックによって脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などの危険性がさらに高くなると言われています。

  ヒートショックを予防するためには、できるだけ室内の温度差を減らすことが大切です。肌の露出が多くなる洗面所やトイレは暖房器具で暖めておく工夫をしてみましょう。風呂の温度は熱すぎないよう41度以下にして深夜や早朝、食後1時間前後や飲食後の入浴は避けましょう。

■冬の脱水にも注意■

  冬の季節であっても、脱水症状にも注意が必要です。脱水症状と言えば夏に多く引き起こされやすいというイメージですが、密閉された部屋で常時、暖房器具を使う冬は空気が乾燥し、肌から水分が蒸発しやすくなります。汗をかく夏と違い、脱水状態であることを自覚しにくく、気づかずに放置すると血流が悪化して心筋梗塞や脳梗塞につながる恐れもあります。

  脱水状態を予防するためには、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給をすることを習慣にしましょう。「トイレに頻繁に行くのが面倒」と、水分摂取を控える高齢者の方もいますが、就寝中は特に乾燥が進むので、寝る前に水を1杯、夜中トイレに起きた後も1杯飲むと良いでしょう。利尿作用があるアルコールやカフェイン入りの緑茶やコーヒーは逆に水分が失われかねません。白湯やスポーツドリンクのほか、体調を崩している時は経口補水液もよいでしょう。

  室内の湿度は50〜60%前後に保ちましょう。加湿器がなくても、洗濯物や濡れたタオルを干すと湿度が上がります。数時間に1回は外気を入れ替えて乾燥を防ぎましょう。

  • 話の広場 (2015 秋季号より引用)

「サルコペニア」とは?
−加齢に伴う筋肉量の減少

 高齢化社会の進展に伴い、現在、「サルコペニア」という言葉が注目されています。サルコペニアはギリシャ語の「サルコ=筋肉」と「ペニア=低下・減少」を組み合わせた言葉で、加齢による筋肉量の減少を意味します。

 筋肉量の減少がある一定レベル以上に進行すると、身体機能が低下して転倒による骨折、入院、寝たきりにつながる可能性があります。サルコペニアは特別な病気ではなく、誰にでも起こり得ますので今後、高齢化が進む日本では、深刻な健康問題といえます。

 サルコペニアの最も大きな要因は加齢です。筋肉は20歳代後半〜30歳代をピークに徐々に減少していきます。また、ほとんど家の中にいて体をあまり動かさない人や入院をして体を動かさない環境にある場合、さらに食事の摂取量が少ない低栄養の場合は筋肉量の低下は加速します。

 筋肉量の減少は、まず足から始まり、ちょっとした段差でつまづいたり、転倒しやすくなります。日常生活の歩行、起き上がる、階段を上り下りするといった動作が、以前に比べて少し大変だと感じたり、ちょっとした段差にもつまづくようになったら要注意です。

 また、最近では「サルコペニア肥満」も注目されています。サルコペニア肥満は筋肉量が減少したサルコペニア状態に加え、栄養過多などの原因が重なって脂肪が増えている状態のことです。高齢者だけでなく、中高年にも起こるのが特徴です。特に、若いころに食事制限によるダイエットを繰り返した人は、脂肪よりも筋肉が減って基礎代謝が落ちているため、たとえ食事内容が変わらなくても脂肪が蓄積し、サルコペニア肥満のリスクが高まります。サルコペニア肥満の人は、そうでない人に比べて糖尿病など生活習慣病のリスクが高くなることが知られています。

■サルコペニア対策■

 サルコペニアへの対策の基本はやはり運動と食事です。運動はジョギングなどの有酸素運動と筋肉トレーニングが有効です。特に行いたいのは筋トレです。近年の研究で、何歳になっても筋トレをすることによって筋肉の減少を抑えたり、増加に役立つことがわかっていますので、日常生活の中で、つま先立ちやスクワットをしたり、椅子に座った状態でもも上げをしてみるなど、体に少し負担をかけてみましょう。また、エレベーターでなく階段を利用する、駐車場でなるべく出入り口から遠くに車を停め、歩く距離を増やしてみるなど、できる範囲で運動量を増やしてみましょう。筋肉が衰えている人ほど効果が出やすいので、早速実践してみましょう。

■タンパク質の不足に注意■

 運動量とともに重要なのは食事です。特に重要なのは、筋肉の材料となるたんぱく質です。たんぱく質は肉や魚、大豆、卵などに含まれます。体内ではたんぱく質の合成と分解が常に行われています。体の中のたんぱく質量を保つためには、毎日の食事で不足しないように摂取することが大切です。高齢者は食が細くなりがちですので、たんぱく質が不足しないよう、肉や魚などをしっかり食べましょう。

  • 話の広場 (2015 春季号より引用)

“生活不活発病”にご注意
−活動の制限と心身の機能低下

 東日本大震災から4年余りが経過しましたが、今なお被災地では避難生活を余儀なくされている方も大勢います。そして宮城県南三陸町が実施した避難生活を強いられている方の健康状態を調査した結果によると、介護を必要とする人が増え続けているといいます。その背景の一つとして、いわゆる“生活不活発病”が考えられます。

 震災で避難したり、仕事を失うなど住環境や生活リズムが大きく変化して、“不活発な生活”を送ることで、筋肉や骨などが衰えたり、心臓や呼吸器などにも影響が生じ、その結果、歩行困難や寝たきりにつながってしまう人が増えているというのです。

 「生活不活発病」とは、過度に安静にすることや活動性が低下した結果、生活が不活発となり、心身の機能が低下することで、特に高齢の方や持病のある方は起こしやすい傾向があります。

 生活不活発病は放っておくとさまざまな症状につながっていきますが、大きく分けて体に影響するものと精神に影響するものがあります。

 体に影響するものとしては、足腰が弱くなり「動きにくくなる」状態があります。さらに胃腸の働きが低下し、食欲がなくなったり、心肺機能が衰え、動悸・息切れがすることもあります。

 精神的に影響するものとして、もの忘れが激しくなるなど認知症のような症状が出たり、精神が落ち込み、うつ状態になることもあります。

 これらの複合的な要因により「動かない」状態が続くと、生活不活発病が起き、全身の機能が衰えます。そのことでさらに動きにくくなり、ますます「動かない生活」に陥り、症状がさらに悪化するという悪循環に陥っていきます。活動量が落ちていることに早めに気づき、悪循環を断ち切ることが大切です。

 生活不活発病の“悪循環”を“良循環”に変えるためには、本人がやりたいことを見つけ出すことから始まります。本人がやりたいことを見つけることで自発的に体を動かすようになり、生活不活発病の症状も改善し、全身の機能も回復していきます。動きやすくなることで、さらに新しい目標が生まれ、活動の範囲が広がり、ますます動くようになっていきます。

 このような“良循環”を作り出すことが生活不活発病改善のカギです。そのためには、ご家族など周囲の人も本人ができることを奪うような過度な手助けを控えて、本人がやりたいことを見守る姿勢も大切です。

■予防のポイント■

○毎日の生活の中で活発に動くように心がけましょう。

○家庭・地域・社会で、楽しみや役割をもちましょう。

 (遠慮せずに、気分転換を兼ねて散歩やスポーツや趣味なども)

○歩きにくくなっても、杖や伝い歩きなどの工夫を。

○身の回りのことや家事などがやりにくくなったら、早めに相談。

○「無理は禁物」「安静第一」と思い込まない。

 (疲れやすい時は、少しずつ回数多く。病気の時は、どの程度動いてよいか相談を)

  • 話の広場 (2013 秋季号より引用)

インフルエンザ対策
予防はワクチン、治療は48時間以内
−流行前に予防接種を

 毎年寒くなるにつれインフルエンザとかぜが流行し始めます。特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は注意が必要です。

 インフルエンザを予防するうえで最も効果的なのはワクチンの「予防接種」を受けることです。インフルエンザの発症そのものや重症化を抑制する効果が期待できます。

 特に乳幼児や高齢者と、心臓病、糖尿病、喘息などの持病をお持ちの方は、重症化の恐れが高い「ハイリスク群」といわれていますので、流行前の予防接種をお勧めします。

 ワクチンは予防接種後、効果が現れるまで2週間ほどかかります。その後は5ヶ月ほど効果が持続します。インフルエンザ流行前の12月上旬頃までに接種を受けることが理想的です。

 また健康な大人でもできるだけワクチンを受けることが望まれます。それは本人の予防だけでなく、インフルエンザが減ることで、間接的にリスクの高い人たちをインフルエンザから守ることになるからです。

■外出後はうがい、手洗いの徹底を■

 日常生活では、外出後の手洗い・うがいを徹底して予防します。まず、手洗いで付着したインフルエンザウィルスを洗い流します。手洗いはあらゆる感染症予防の基本。石けんで念入りに洗いましょう。

 うがいはウィルスが体内に入る前に洗ってはき出すために行います。のどに適度の湿り気を与えることにもなります。10〜15秒間、数回繰り返してください。ウィルスを避けるため、できるだけ繁華街や人ごみへの外出を控えるようにします。外出の際のマスクを忘れずにしましょう。

 室内では加湿器などを利用して、のどの乾燥を防ぐようにします。乾燥することにより、のどの防御機能が低下してしまうからです。また、栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠で、体の抵抗力を高めるようにしてください。

■「インフルエンザかな」と思ったら■

 急な発熱などの症状から「インフルエンザにかかったかな」と思ったら早めに医療機関を受診しましょう。

 基本的に水分をしっかり摂って、安静にして睡眠をとります。せきやくしゃみなどが出る場合はマスクをして、家族など周囲への感染を防ぐことを心がけます。最近では「インフルエンザ迅速診断キット」が普及し、100%ではありませんが、ウィルスの有無やその種類を短時間で調べることができるようになりました。インフルエンザの治療には、抗インフルエンザ薬が用いられますが、インフルエンザの症状が出てから経過した時間によって、あるいは症状によって、どんな薬を使うかが違ってきます。

 抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に服用を開始した場合、より一定の効果が期待できます。そうした意味からも、インフルエンザが疑われたら、すぐに医療機関を受診してください。

◆インフルエンザ流行前に◆

  □インフルエンザワクチンの接種
    (特に65歳以上の高齢者、持病のある方など)

◆インフルエンザが流行したら◆

  □うがい、手洗いの励行

  □外出時にはマスクを着用

  □室内では加湿器などを使用して適度な湿度に

  □十分な休養、バランスの良い食事

インフルエンザ対策
予防はワクチン、治療は48時間以内
−流行前に予防接種を

 毎年寒くなるにつれインフルエンザとかぜが流行し始めます。特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は注意が必要です。

 インフルエンザを予防するうえで最も効果的なのはワクチンの「予防接種」を受けることです。インフルエンザの発症そのものや重症化を抑制する効果が期待できます。

 特に乳幼児や高齢者と、心臓病、糖尿病、喘息などの持病をお持ちの方は、重症化の恐れが高い「ハイリスク群」といわれていますので、流行前の予防接種をお勧めします。

 ワクチンは予防接種後、効果が現れるまで2週間ほどかかります。その後は5ヶ月ほど効果が持続します。インフルエンザ流行前の12月上旬頃までに接種を受けることが理想的です。

 また健康な大人でもできるだけワクチンを受けることが望まれます。それは本人の予防だけでなく、インフルエンザが減ることで、間接的にリスクの高い人たちをインフルエンザから守ることになるからです。

■外出後はうがい、手洗いの徹底を■

 日常生活では、外出後の手洗い・うがいを徹底して予防します。まず、手洗いで付着したインフルエンザウィルスを洗い流します。手洗いはあらゆる感染症予防の基本。石けんで念入りに洗いましょう。

 うがいはウィルスが体内に入る前に洗ってはき出すために行います。のどに適度の湿り気を与えることにもなります。10〜15秒間、数回繰り返してください。ウィルスを避けるため、できるだけ繁華街や人ごみへの外出を控えるようにします。外出の際のマスクを忘れずにしましょう。

 室内では加湿器などを利用して、のどの乾燥を防ぐようにします。乾燥することにより、のどの防御機能が低下してしまうからです。また、栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠で、体の抵抗力を高めるようにしてください。

■「インフルエンザかな」と思ったら■

 急な発熱などの症状から「インフルエンザにかかったかな」と思ったら早めに医療機関を受診しましょう。

 基本的に水分をしっかり摂って、安静にして睡眠をとります。せきやくしゃみなどが出る場合はマスクをして、家族など周囲への感染を防ぐことを心がけます。最近では「インフルエンザ迅速診断キット」が普及し、100%ではありませんが、ウィルスの有無やその種類を短時間で調べることができるようになりました。インフルエンザの治療には、抗インフルエンザ薬が用いられますが、インフルエンザの症状が出てから経過した時間によって、あるいは症状によって、どんな薬を使うかが違ってきます。

 抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に服用を開始した場合、より一定の効果が期待できます。そうした意味からも、インフルエンザが疑われたら、すぐに医療機関を受診してください。

◆インフルエンザ流行前に◆

  □インフルエンザワクチンの接種
    (特に65歳以上の高齢者、持病のある方など)

◆インフルエンザが流行したら◆

  □うがい、手洗いの励行

  □外出時にはマスクを着用

  □室内では加湿器などを使用して適度な湿度に

  □十分な休養、バランスの良い食事

  • 話の広場 (2013 春季号より引用)

必要な栄養は毎日しっかり
低栄養、やせすぎに気をつけよう
−高齢者は「偏食・少食」に注意

 健康のために食生活で気をつけたいことと言えば、一般的には、糖尿病などの生活習慣病を予防するために、例えば「食事の量を控える」「肉類は控える」などがあげられます。肥満が気になる方には野菜、魚、海藻などを使った低カロリー食が勧められる一方で、高齢者の場合は、食欲の低下や食事量の減少などによる「やせすぎ」「低栄養」に注意する必要があります。

 人は誰でも年をとるにつれ、身体の機能が衰えてきます。足腰が弱くなっていくように、体の内部(内臓)の機能も低下するので、食べたものを消化・吸収する力や噛んだり飲み込んだりする力も衰え、その結果、食べる量が減ったり、食べるものが偏ったりします。そこで問題となるのが「低栄養」という状態です。

 低栄養とは、健康維持に必要な食事の要素である「タンパク質」と「エネルギー源」が不足した状態です。「高齢者は食が細いもの」と思って、少食や偏食を放っておくと、栄養不足になり、体力が低下して、かぜををひきやすくなったり、筋肉が減少して転倒や骨折を起こしやすくなったりします。特に高齢期はささいなことがきっかっけで虚弱状態に陥り、いったん低下した機能を回復するのも時間がかかるため、注意しないと要介護状態になってしまうこともあります。これを防ぐためには、高齢者の食生活は低栄養の予防にも注意していく必要があります。ただし、高血圧や糖尿病、腎臓病がある方は、医師や栄養士などの指示に従ってください。

【たんぱく質を積極的にとろう】

 低栄養を予防するためには、大豆製品などの植物性たんぱく質だけでなく、体内での利用効率が良い動物性たんぱく質の摂取が不可欠です。植物性・動物性の両方をバランスよくとると同時に、肉と魚は1対1の割合で、牛乳は1日コップ1杯を目安に摂取しましょう。

【エネルギー源をしっかりとろう】

 ご飯や麺、パンなどの主食は、体を動かすためのエネルギー源として不可欠なため、しっかりとるように心がけましょう。

【食べたいときに食べたいものを】

 食欲がないときは、食べられるときに好きなものを食べるなど、臨機応変に考えることも大切です。10時や3時の間食にチーズやプリンなどをとり、不足しやすいたんぱく質を補っても良いでしょう。

【食欲がないときはおかずを先に】

 食欲がないからといって欠食するのは避けましょう。どうしても食欲のないときは、先におかずを中心に食べ、ご飯を残すようにしましょう。

【水分摂取を心がけよう】

 高齢になると、体の細胞内の水分量が減少することや、のどの渇きを感じにくくなることなどから、脱水を起こしやすくなってきます。食事以外でもこまめに水分補給をしましょう。

 低栄養そのものは病気ではありませんが、老化を促進させる要因であることが最近の研究で分かっていますので、その兆候が見られたら早めに食生活を見直していくことが重要です。

  • 話の広場 (2013 新春号より引用)

長寿の秘訣は生活習慣にあり
ブレスローの7つの健康習慣
−今日から実践しましょう

 今冬もインフルエンザやノロウィルスが流行しています。ぜひ予防を心掛けてこの冬を乗り切り、暖かい春を迎えましょう。
 さて、病気の発症にはさまざまな要因が影響していますが、それらの要因は、@加齢などを含めた「遺伝要因」、A病原体や有害物資、ストレスなどの「外部環境要因」、B食習慣や運動習慣といった「生活習慣要因」の3つに分けることができます。このうち一番重要なのは生活習慣です。
 それでは生活習慣、生活環境とは具体的にどのようなものでしょうか?それが分かれば健康・長寿へのヒントが見えて来るかも知れません。
 生活習慣について、ここで米国・カリフォルニア大学のブレスロー教授が提唱した「ブレスローの7つの健康習慣」といわれる長寿の秘訣をご紹介しましょう。
 これはブレスロー教授が、生活習慣と身体的健康度(障害、疾病、症状など)との関係を調査した結果に基づいて提唱されたものです。1973年に発表され、予防医学・社会医学の分野で広く知られるようになりました。そして、この7つの健康習慣の実践の有無によって、その後の寿命に影響することが分かってきたのです。
 「7つの健康習慣」は、どれも特別なことではありませんが、同時に「分かっているけどなかなか・・・」と実行できないことでもあります。また、仕事や育児など、さまざまな理由で実践が難しい場合もあるでしょう。
 しかし、生活習慣病を予防し、健康を保持するためには、各人が主体的にこれらに取り組んでいく必要があります。従って、時々は日頃の生活を振り返り、「7つの健康習慣」が実践できているかを確認しましょう。そして、もしも実践できていない場合には、1つでもできるところから実践してみましょう。

@適正な睡眠をとる

 睡眠は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病と関係することも分かってきました。

A喫煙をしない

 タバコは百害あって一利なし。

B適正体重を維持する

 肥満は生活習慣病の元になるだけでなく、腰痛や膝関節痛、睡眠時無呼吸症候群などにも関係しています。

C過度の飲酒をしない

 アルコールも適量を超えると全身のさまざまな臓器に悪い影響が出ます。

D定期的に運動する

 全身持久力を維持するためにウォーキングなどの有酸素運動や体を支えるための筋力を鍛えるための筋トレ、柔軟性を高めるためのストレッチを組み合わせましょう。

E朝食を毎日とる

 エネルギーが空のままでは頭も体も動きません。元気な一日は朝食から始まります。

F間食をしない

 どうしても間食をしたい時には、一日の食事で不足しがちなカルシウムや食物繊維がとれるように、ヨーグルト製品、果物がお勧めです。

  • 話の広場 (2012 秋季号より引用)

100歳まで元気に歩こう
   −ロコモティブ・シンドロームに注意

 いつまでも元気に歩くためには、骨や関節、筋肉などの「運動器」の健康を保つことが大切です。足腰が健康ならば何歳になっても元気に歩くことができますし、将来の介護や寝たきりの予防にもつながります。
 ところで、みなさんは「ロコモティブ・シンドローム(ロコモ)」という言葉を聞いたことがありますか?「メタボリック・シンドローム(メタボ)」なら知っているけれど、ロコモなんて聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか。
 ロコモティブ・シンドロームは日本語で「運動器症候群」といいます。運動器とは、体を動かすために必要な「筋肉」「骨」「軟骨」などの総称です。これらが連携して働くことで、スムーズな歩行が可能になります。
 いずれかの運動器の状態が悪くなったり、連携がうまくいかなくなったりすると、運動器全体がうまく機能しなくなり、痛みやふらつきから転倒・骨折の危険が高まります。その結果、歩行が困難になると、最終的には要介護の状態や、寝たきりにつながることがあります。このようなリスクが高まった状態を、近年、ロコモティブ・シンドローム(ロコモ)と呼ぶようになったのです。
 ロコモの原因は、「骨や関節の病気」と「筋力・バランス能力の低下」の2つに分けられます。骨や関節の病気として代表的なものには、「骨粗鬆症」、膝関節や股関節などに起こる「変形性関節症」、背骨の中の神経が圧迫され働きが低下してしまう「脊柱管狭さく症」などが挙げられます。

           ・骨や関節の病気
             (骨粗鬆症、変形性関節炎など)
           ・筋力の低下
           ・バランス能力の低下
                ↓
             痛み、ふらつきなど
                ↓
           歩行障害、要介護、寝たきり

 筋力やバランス能力が低下すると、ふらついたりつまずいたりすることが多くなり、転倒・骨折のリスクも高まります。しかし、骨や関節の病気と異なり気づきにくいため、対策が遅れてしまいやすいという問題があります。
 高齢者では、1つの運動器の状態が悪くなっただけでも、それが連鎖的に影響し、歩行に支障を来すことがあります。そこで、歩く能力を全体的にとらえた予防対策に取り組む必要があると考えられ、ロコモの考え方が提唱されました。
 骨や関節の病気がある場合、まずその病気を治療することが必要になりますが、病気が治ればそれでよいというわけではありません。歩く能力全体に注目し、能力やバランス能力などを総合的に改善していくことが大切なのです。
 たとえ高齢であっても、適切な運動で筋力も骨も強化されます。特に筋肉は鍛えることで十分な改善が望めます。筋力が向上すればバランス能力も改善し、ふらつきやつまずきが起こりにくくなります。運動は、いくつから始めても効果が期待でき、遅すぎるということはありません。「年だから」とあきらめず、自分の体力に合わせて、できるところから始め、継続していくことが大切です。

  • 話の広場 (2011 春季号より引用)

災害への備えを忘れず 「薬や病歴などを一覧表に」
−近隣との連携も重要

 平成23年3月11日、東北地方太平洋沖において発生した大地震、大津波、そしてそれに伴う原発事故による未曾有の大災害で被害を被られた皆様に心からお見舞いを申しあげます。一日も早く復旧されますよう、お祈り申しあげます。
 さて、今回の大災害を機に突然の災害で被るけがや病気にどう備えるべきか考えた方も多いのではないでしょうか。日頃からどんなものを家に常備し、持ち歩くよう心がけるべきでしょうか。

■情報をまとめる■

 持病のある人の備えとしては日頃服用している薬のリストや病歴、かかりつけ医の連絡先などの情報を一枚の紙にまとめ、非常時に持ち出せるようにしておきましょう。自分の名前、住所、血液型のほか、家族の連絡先なども忘れずに記載しておいてください。

■救急箱■

 まずは家庭にある救急箱の中身を再点検してみましょう。救急箱は急を要さないけがや発熱のために常備しておく市販薬、普段から服用している薬、ガーゼや包帯などの衛生用品が中心となります。飲み薬だけでなく打撲や切り傷などの負傷に備えて湿布や消毒液、ばんそうこうなども用意しておくほか、おなかが弱い家族がいる場合は、整腸薬などもあるとよいでしょう。
 また被災地では、疲れや衛生状態の悪化などでインフルエンザやかぜが流行しやすくなります。予防に必要なマスク、うがい薬や消毒剤なども準備しましょう。
 平時からよく遣う常備薬などは救急箱にしまい、入りきらないものは、そばにまとめておくか、非常持ち出し袋などに入れておきましょう。

■高齢者・要介護者■

 災害時は家族と離れ離れとなり、孤立してしまう恐れがあります。特に医療や介護が必要な高齢者は「災害弱者」となりやすい傾向があります。家族と連絡が取れなくなる事態を想定して、日頃から隣近所の人に状況を伝え、非常時の手助けを頼んでおくことが重要です。
 また高齢者の中には介護保険を使っている人も多いので、担当のケアマネージャーの連絡先も記しておくとよいでしょう。認知症の人の場合は自分で氏名や生年月日を言えないこともあるので、保険証のコピーや顔写真なども用意しておくと本人確認に役立ちます。
 要介護者のいる家庭では、屋内の安全対策も大切です。ベッド周辺には落下の危険があるものを置かないようにしましょう。出入り口周辺には崩れそうな家具は置かず、逃げ道が確保できるようにしてください。杖や車椅子はあらかじめ置き場所を決めておくとよいでしょう。

        【まとめておきたい情報】

           ・氏名   ・生年月日
           ・住所   ・血液型
           ・家族の連絡先
           ・飲んでいる薬の種類
           ・病歴など ・かかりつけ医
           ・ケアマネージャーなどの関係機関

  • 話の広場 (2010 夏季号より引用)

骨粗鬆症対策 「骨を生活習慣で強くしよう」
−食事・運動・日光

 高齢化社会を迎えて、今まで生活習慣病と言われてきた高血圧、糖尿病、高脂血症などの疾患に加えて、骨折の原因となる骨粗鬆症が注目されるようになりました。現在、65歳以上の方の人口は2000万人にも達していますし、骨粗鬆症の推定患者数は約1000万人とみられています。また50歳以上の女性では全体の30%前後の方が骨粗鬆症と推定されています。これだけ多くの方が骨折の危険にさらされているのです。

 骨粗鬆症とは加齢に伴い、骨に鬆(す)が入ったように骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。骨がスカスカになると、わずかな衝撃でも骨折をしやすくなります。

 骨粗鬆症は、ガンや脳卒中、心筋梗塞のようにそれ自体が直接生命をおびやかす病気ではありませんが、骨粗鬆症による骨折から、寝たきり状態になってしまう人も少なくありません。血圧やコレステロール値を気にするように骨密度も気にかけ、骨粗鬆症を予防しましょう。

 骨粗鬆症の発症には日常生活が大きくかかわっています。生活習慣の改善を行うと、骨が強化されるだけでなく、薬物療法の効果を増強させることも期待できます。予備軍の人では、生活習慣の改善だけで骨量が維持できることもあります。骨を強くするためには、まず喫煙者は喫煙をやめ、過度の飲酒は控えます、そして「食事」「運動」「日光」の3つがポイントとなります。
 できるだけ早い時期からよい生活習慣を取り入れ、骨粗鬆症と骨折の予防に役立てましょう。

■食事=骨を強くする■

 骨を強くするように働く栄養素は「カルシウム」「ビタミンD」「ビタミンK」の3つです。特にカルシウムとビタミンDは、一緒にとるとカルシウムの吸収率を高める効果があります。もうひとつ、特に高齢者にとって大切な栄養素が「タンパク質」です。カルシウムと同様に骨の材料となるので、意識してとりましょう。カルシウムは乳製品や魚介類に多く含まれます。カルシウム摂取量の目安は年齢にかかわらず1日800mg程度必要です。

■運動=日常的に骨に体重をかける■

 運動不足は骨量の低下を引き起こす原因となります。さらに骨にカルシウムを蓄えるには、骨に体重をかける≠アとが必要です。「階段の上り下り」「散歩・ウォーキング」、家の中では「イスを利用してのスクワット」「片脚立ち」などを行うと、骨を強くする効果が得られます。
 ただし、骨に一時的な負荷をかけ過ぎると圧迫骨折を引き起こす危険性があるので、運動を始める前には医師に相談するようにしましょう。

■日光=外出時に浴びる■

 カルシウムの吸収を高めるビタミンDは、日光が皮膚に当たることで活性化するため、適度に日光に当たることが大切です。長時間浴びる必要はなく、夏なら木陰で30分程度、冬なら手や顔に1時間程度浴びれば十分です。昼間に買い物に出かけたりして、生活の中で上手に日光を浴びるようにしましょう。

  • 話の広場 (2009 夏季号より引用)

「生活習慣病の温床 皮下脂肪と内臓脂肪」
〜どちらも溜め過ぎに注意〜

 体につく脂肪は、大きく分けて「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類があります。内臓脂肪は、おなかの臓器の周りにつく脂肪で、男性にたまりやすく、健康に悪い影響を与えやすいのが特徴です。そして皮下脂肪は、皮膚の下につく脂肪で、女性にたまりやすく、体への影響は内臓脂肪より小さいのが特徴です。

 内臓脂肪も皮下脂肪も過剰なエネルギーを備蓄することに変わりはありませんが、皮下脂肪は、たまるときも燃えるときも非常にゆっくりです。それに対して内臓脂肪は反応が非常に早く、たまる時は早期にたまって、空腹になるとすぐに燃えます。分かりやすくお金で例えると、内臓脂肪が出し入れの簡単な「普通預金」、皮下脂肪は「積立預金」のようなものです。

 また、内臓脂肪と皮下脂肪では、燃える時に出てくる遊離脂肪酸という物質の行く場所が異なります。皮下脂肪は全身をかけめぐって筋肉などで使われますが、内臓脂肪から出てきた、燃えた遊離脂肪酸は、肝臓に直結している門脈という血管から直接肝臓に入っていき、高脂血症の原因になる脂肪をつくったり、糖尿病の原因になる血糖をつくったりしてしまいます。

 内臓脂肪はメタボリックシンドロームをはじめ多くの生活習慣病の温床として知られるようになりました。内臓脂肪は単なる「あぶら」のかたまりではありません。体に悪影響を与えるさまざまな物質を分泌し、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病を引き起こしています。さらに動脈硬化が進行することで、心筋梗塞や脳卒中など命にかかわる病気にもつながります。

 一方、皮下脂肪も、過剰にたまると月経異常や睡眠時無呼吸症候群などの原因となることがわかってきました。皮下脂肪で多くつくられる「レプチン」というホルモンには、月経開始の指令を発する役割があります。しかし、皮下脂肪の蓄積でレプチンが過剰になると、常に月経開始の指令が出ている状態になり、合図の役目を果たさなくなるため、「無月経」などが起こることがあります。

内臓脂肪を減らすために食生活を見直すことは、もちろん大切ですが、最も効果があるのは運動です。毎日の運動が大事で、日常の生活の中で、できるだけ街を歩いたりエスカレーターに乗らないで階段を上ったりするなど、小さな心がけが大切です。特別激しい運動をするとか、わざわざスポーツジムに行ってというほどの運動が必要とは限りません。毎日ちょっとでも機会があれば筋肉を動かす生活習慣をつける。それが一番大事といえます。

内臓脂肪 皮下脂肪
男性に多い。 女性に多い
内蔵のまわり。 太もも、お尻など。
付きやすく、落としやすい。 付きにくく、落としにくい。
肝臓に取り込まれ、
体に悪い影響。
肝臓に取り込まれず、
体を循環。
短期的エネルギーを貯蔵。 長期的エネルギーを貯蔵。

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