• 健康だより


  • 健康相談室 (2015 夏季号より引用)

長引く「慢性腰痛」
  心理的要因の可能性も
質問

 長引く腰痛に悩まされています。ギックリ腰や激しい運動をしたわけでもなく、また、人間ドックの数値も特に異常はありません。
 最近、職場で責任ある立場になり、腰の痛みで業務にも支障が出てしまい困っています。
どのような原因が考えられるのでしょうか?(45歳・男性)

回答

 腰痛で悩んでいる方は非常に多く、厚生労働省の「国民生活基準調査」によると、男性の自覚症状の第1位、女性も肩凝りに次いで第2位という結果が出ています。一般的に3カ月以上続く腰痛を「慢性腰痛」と呼びます。慢性腰痛を引き起こす要因は一つではなく、骨や筋肉の障害、神経の障害、内臓疾患によるものなど様々なものがあります。

 実際の腰痛の事例においては、原因がはっきりとしていて、椎間板ヘルニアなどの病名で診断されるケースは実は思いのほか少なく、検査をしても腰痛の直接の原因が特定できないものが多くあります。

 このような原因不明の腰痛の多くに、ストレスや不安、鬱といった心理的要因が深く関わっていることが明らかになっています。近年解明されてきたのが、痛みをコントロールする「ドーパミン」という脳内物質との関係です。ドーパミンは、痛いはずの状況にあってもその痛みを抑制する働きがあり、もともと脳に備わっている機能です。

 しかし、日常的にストレスを受け続けていると、脳内物質のバランスが崩れ、ドーパミンの分泌が減り、ますます痛みを感じることになります。その上、その痛み自体がストレスとなってドーパミンの分泌がさらに減少し、痛みが慢性化するという悪循環になってしまいます。

 ご質問のケースでは、明らかな原因がなく腰痛が慢性化していること、職場では重責を担っていることなどから、心理的要因による腰痛の可能性も考えられます。日頃からストレスを上手に解消し、整形外科や内科のほかにも、診療内科などの受診も有効でしょう。

  • 健康相談室 (2014 秋季号より引用)

指の第一関節が変形
  ヘバテージ結節の疑い?
質問

3年程前から右手の人差し指の第一関節が曲がり始め、次第に親指の方向に変形して曲がってしまいました。そのため、字を書いたり、箸を持つときに不自由を感じています。
どのような原因が考えられるのでしょうか?。(60歳・女性)

回答

 ご高齢の方の中には、指などの関節が変形する症状が現れることは多くみられます。ご質問のような、手の指の第一関節が変形して曲がる症状からヘバテージ結節が疑われます。

 ヘバテージ結節とは、手の指の第一関節が赤く腫れたり曲がったりするのが主な症状で、痛みを伴うこともあります。原因はよく分かっていませんが、発症年齢はおおよそ40歳代以降の方(特に女性)で、手を良く使う人はなりやすい傾向があります。遺伝性は証明されていませんが、母娘、姉妹間では高率に認められるのも特徴です。

 診断は、第一関節の変形、突出、疼痛があり、X線写真で関節の隙間が狭くなったり、関節が壊れたり、骨棘(こっきょく)があれば、ヘバテージ結節と診断されます。

 保存的療法としては、局所の安静(固定も含む)や投薬、テーピングなどがあります。保存的療法で痛みが改善しないときや変形がひどくなり日常生活に支障を来す場合は、コブ結節を切除したり、関節を固定する手術が行われることもありますが、ほとんどが手術療法には至らないようです。

 予防法は、第一関節が痛むときは安静にしましょう。痛くても使わなくてはならないときは、テーピングがお勧めです。また、母や祖母などがヘバテージ結節になっている人は、体質が似ていることを考慮し、指に過度な負担をかけないようにしましょう。

 ただし、指関節の変形には関節リウマチなどの他の病気が疑われることもありますので、まずは医療機関で適切な診断を受けましょう。

  • 健康相談室 (2011 秋季号より引用)

子どもの靴選び
  〜健康は足元から〜

 秋は運動の季節。子ども達が外で走り回る機会が増えて来ます。そこで気をつけたいのが靴です。足に合わない靴を履き続けると、足の骨が変形したり、全体のバランスが崩れてしまうなどの悪影響が出てしまいます。
 「子どもはすぐに大きくなるから」と、大人の理由で大きめの靴などを選んでいませんか?子どもの健やかな成長を考えるには、正しい靴選びが大変重要であることをしっかりと認識しましょう。

 足の骨格が完成するのは12歳頃までといわれています。それまでの成長過程にある子どもの足は、骨が柔らかく未完成状態です。この時期に小さめの合わない靴を履いていると、足の親指が変形する「外反母趾」などになってしまいます。

 一方、大きめの靴では、中で指が泳いでしまうことでバランスのよい姿勢を保てなくなり「腰痛」などの原因にもなります。

 加えて、健康上の問題だけでなく、成長過程期に足の自然な動きが制限されることで、以後の運動能力全般にも悪影響が出てしまいます。

 痛みや違和感があっても特に小さな子どもは上手に伝えられません。成長期には1年に平均1cmも大きくなる子どもの足。定期的に足と靴のサイズをチェックし、足に合った靴を選ぶようにしましょう。

〈子どもの靴の選び方〉

【指先】
 ・0.5〜1cmの余裕があること
 ・全ての指が自由に動くこと
 ・靴先から1/3の部分が適度に曲がる

【足の甲】
 ・圧迫感がないこと

【かかと】
 ・かかとを覆う部分がしっかりしている
 ・かかとのカーブラインが足のラインに合っている

  • 健康相談室 (2011 春季号より引用)

中年期の肩の痛み
  五十肩の疑い?
質問

 ひと月ほど前から、腕を上げると肩に激痛が走るようになりました。
 動かし方によっては、痛みの出ない方向もありますが、毎日、恐る恐る
 腕を動かしている状況で日々の生活に支障が生じています。

 痛みを緩和する方法がありましたら教えてください。(45歳・男性)

回答

 ある一定方向に肩関節を動かすと痛みが起こることがあります。このような肩関節の運動が制限される病気を肩関節周囲炎と呼びます。
 40歳以上、特に50歳代に多く発祥することから五十肩とも呼ばれています。ご質問のケースも症状と年齢から、この五十肩と思われます。

 五十肩の主な症状としては、これといった原因もなく肩関節に不快感や痛みが起こり、徐々に肩関節が思うように動かせなくなります。痛みを恐れて動かさずにいると、しだいに肩関節を動かせる範囲が狭くなり、衣服の着脱など日常の生活動作にも支障が出てきます。また、夜に肩の痛みで目が覚めて安眠できないこともあります。

 原因としては、肩関節周辺の筋肉やじん帯、腱などの柔らかい組織が、加齢とともに変性し、炎症を起こすものです。炎症によって関節に拘縮(関節を動かせる範囲が狭くなる状態)が起こり、腕の動きが制限されるようになります。睡眠時に痛むのは、無意識のうちに可動域を超えた動作をしてしまうためと考えられます。

 一般に、数ヶ月から1年ほどで自然に症状が消え、治ると再発しないのが五十肩の特徴です。ただし、症状が長引くなどの場合には、肩の筋肉が骨に密着する部分(腱板)に石灰が沈着したり、断裂を起こしていることもあるので、医療機関で正しい診断をしてもらいましょう。

 症状の緩和策としては、痛む肩をかばって全く動かさないのは誤りで、入浴などで幹部を温めて痛みを和らげながら、動かせる範囲内で徐々に動かしていくことが効果的とされています。

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